いいね~としみじみ思う小説の書き出し

こんにちは!太眉です!

太眉は通勤中、本を読んでいます。

通勤読書家の方なら頷いてくれると思いますが、我々は視界の中心に文章を捉えつつ、周辺視野で車窓を確認し、自分の降りる駅に電車が停車したことを確認することができます。

ふざけるのはこの辺にしておいて,,,

今日読んだ小説の書き出しが、よかったんです。

「僕の口から言うのも憚られるのだけれど、僕の妻はいい妻である。かわいいしやさしいし~」

やっぱり人が人をほめているのを聞くのって気分良いですよね。

この本は江國香織さんの『温かなお皿』という短編集の冒頭です。

この妻はブルドックのローズィーが可愛すぎて、夕食の時も夫の両親と駅で待ち合わせするときも、常に一緒にいます。

そんな彼女ですが、太眉はこの妻に狂気とか偏愛を感じません。夫を愛し、ローズィーを愛し、夫の両親とも仲よくしようと張り切るかわいい妻、という感じです。

西加奈子さんの『きりこについて』もいい書き出しです。

「きりこは、ぶすである。」から物語は始まります。そして、そこから見開き1ページ、きりこのブス具合について説明が入ります。顔の造形やそれをみた周りの人々の反応などです。

太眉はこの本で初めて、読書中に声を出して笑いました。端的で強い意味を持った言葉だと思いました。

最後は木原浩勝さんの『新耳袋』です。

京極夏彦さんが序文を書かれていて、その文章が怪談の始まりとして最高です。

要旨は、次のようなものです

文字=世界の一部をかたどった意味のある図形

文字の連なり=詞=モノゴトを紙に縫い付ける呪

呪の連なり=世界を再編集する呪文

呪文を読む≒モノを語る=異界

書物=異界を封じ込めた函

読書=異界の解放

という感じです。

この本は異界だよ。今から読者のみんなは、それを開放しちゃうんだよ。と言っているわけです。

太眉は山手線内で「おいおい、俺はこれから呪文を読んで、異界の封印を解いちゃうのかよ!!」と。すごいドキドキしました。

まだ2巻までしか読んでいませんので、あとの10巻を大切に読みたいと思います。

以上です。太眉は「好きな作家だれ?」と聞かれたら「西加奈子さん」と答えます。

『きりこについて』『サラバ!』

この2冊はもう一回読み直して、時系列順や人物史的にまとめたりして、面白ポイントを日記に書きます。

待ってください!おやすみ!

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